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韓国人マスターへのインタビューを日本人の元マスターが読み解いてみた(その1)

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少し古い記事ではありますが(2015年公開)、K-POPアイドルのマスターに関する内容についてかなり詳細、かつリアルに記載された韓国のニュース記事を見つけました。

[르포] ‘팬심이 권력이 되다’ 팬덤 피라미드의 정점, 홈마스터①
☝引用元の記事(韓国語)はこちら☝

 

こちらの記事が超絶面白く、かつ史実に基づいてるな!と思ったので、記事内容を引用しつつ、わずかながらでもマスターをやってた身としての補足&コメントを書こうと思います!

 

※11/29追記:配信元であるNewsAdeカン・ヒョジン記者のご厚意により、全文翻訳を当ブログにて公開させていただくこととなりました!

☝全文翻訳はこちら☝

 

 

#1. 彼らはなぜ公演を放棄して出待ちを選ぶのか?

(中略)去る9日、東大門・DDPで開催された"ミュージックバンク"特番の公開放送に行った。やはり、彼女たちが居た。肩に巨大なカメラを下げた一群は、工事現場で見るような脚立や、"자리있음. 치우지마세요"と書かれた簡易椅子を担ぎ、より見やすい位置を求めてせわしなく動き回った。

出、出〜〜〜〜!!!!"자리있음"!!!!!!!!!!一体何十回紙に書いたことだろうか……。

このワード、韓国語学習者の日本人が初めて出くわすと、ちょっと一瞬意味が分からないように見える可能性もある言葉です。直訳すると「席有り」となるのですが、実際の意味としては「席を取ってます」なんですよね。その後ろの「치우지마세요」は「片付けないでください」の意味です。

ちなみに、この紙を書くときって電話番号も一緒に書いておかない謎の暗黙ルールがあるのですが(文句があったら電話して来いや!の意)、激しくヲチられてるオタクは電話番号を控えられサイン会の当落チェックされたりそれを晒されたりしていて、謎の修羅みありました。

 

出演者控え室の入り口に張られたフェンスの前には、(中略)若いファンたちが何人もいた。その合間で、圧倒的な存在感を見せつけている大砲たちはほとんどが知り合い同士のようだった。あちこちで挨拶話をしたり、”あの人たちも来てるよ”と他の集団について言及したりもしていた。

もちろん対立してるグループもあったりはするんですけど、そこそこ顔見知りのマスター同士は同担・他担関係なくご挨拶や雑談をしたりはしてました。マスター間の政治的には何気に孤立が一番ヤバかったりする(知り合いのマスター同士情報回してたりするので)。

 

しかし、肝心の本人たちは本公演を観ようとしていないようだった。(中略)

常識的には、数秒間で通り過ぎる入り待ちよりも、好きな歌手が準備した素敵な公演を見るのが当然の選択だ。にも関わらず、マスターたちが公演すら諦めて何時間も待ち、見れるかどうかもわからない出待ちに望みを賭ける理由は希少性のためである。

いやこれ本当……これなんですよ……規制のゆるめな放送局で、前から10列目ぐらいまでのセンター良席とかが取れれば撮りに入りますけど、そうじゃないなら入り出の方がよっぽど撮り甲斐がある。撮れなくても何かしら美味しい現場が待っている可能性もありますし。というか大体こういう状況のときってステージ見すぎてもうステージはええわってなってるんだよなぁ……今思うとクソクソ贅沢な発言ですけどね。

 

#2. エビの間でロブスターとして君臨できる理由は

最近のファンたちは、スターとの距離感を説明する時、自嘲を含んだ表現として自身を「エビの塩辛」に例える。(中略)

しかし、ホームページマスター(以下マスター)たちはその間でロブスターのように無視できない存在感を持つ。客席に紛れ込んだマスターのカメラレンズは、カスミソウに囲まれた薔薇、あるいは真っ黒な画用紙に刻まれた白い天のように、舞台に上がったアイドルの視線を強奪する

マスターが必ずロブスター的になれるわけではないけど、でもまあマスターやってれば比較的目線くれるみたいなとこはなきにしもあらずかなぁとも思います。マスターって一種のブランド(ないしブランディング行為)だなと。でも、対アイドル向けに上手にブランディングしていけば、別にマスターじゃなくても、マスターと同じかそれ以上にファンサもらえるファンになれる可能性も全然あるとわたしは思います。というか、アイドルにチヤホヤされたいだけならマスターなんて非効率的なことしなくてもいいと思うし、マジでアイドルと繋がりたい・付き合いたい!と思ってる人はオタクやってる場合じゃないような気もする……。

 

 

マスターは、アイドルのファンクラブ文化が廃れていく中で新しく生まれたファン層だ。好きな歌手の個人ファンサイトを直接開設し、それに対する情報を集中的に掲示する。(中略)

よって、最近のファンたちはより上手に撮影する/好みの写真が上がってくる個人ファンサイトに集まり、一つの城のように独自のファンコミュニティを構成する。各ホームは加入条件が相当煩わしく閉鎖的で、活動しない会員を脱退させてしまうこともある。

前に書いた写真補正のブログ記事の締めにも書きましたが、マスターの写真におけるクオリティって、単純に写真が上手いということだけでなく「被写体に対する解釈の具現化」による好みの問題もかなり大きいと思っています。

(↑写真補正についての記事はこちら。)

「城」って表現すごくいいなと思いました。ホームページ全体を使って自分の世界観を作り上げ、ファンを囲い、ブランドとしての価値を高める。わたしも、実は最初はマスターになるつもりだったわけではなかったんですが、写真を撮り溜めていくうちにまさしく「城」を作りたくなって、サイトを開いたという経緯があります。自分が推しに見ている夢を、似たような思想のファンと共有したくてたまらなくて……。あと、思想が違うファンの方に対しては、加入時のプロフィールなどで判別して、サイト内のレベルを上げないとかの方法で実際ゆるやかに排除していました。解釈過激派のオタクだったから仕方ないよね!テヘペロ☆*1

 

……まだまだ長くなりそうなので、記事分けますね!

☝続きはこちら

 

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*1:わたしが旧推し・現推しの多くをあまりはっきり公表していないのも、実は未だに解釈過激派地雷持ちの残念オタクだからです……同じファンという土俵に立った瞬間、思想の違う相手のことはブロック自衛してしまう(というか思想の同じ人間とだけ閉鎖空間に篭もる)こともあるタチなので、一般的な「推し」という主語に置き換えていろんな話をしています。生きづらいオタクですみません。

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