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韓国人マスターへのインタビューを日本人の元マスターが読み解いてみた(その2)

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その1からの続きです。

☝前編はこちら☝

 

[르포] ‘팬심이 권력이 되다’ 팬덤 피라미드의 정점, 홈마스터①
☝引用元の記事(韓国語)はこちら☝

 

※11/29追記:配信元であるNewsAdeカン・ヒョジン記者のご厚意により、全文翻訳を当ブログにて公開させていただくこととなりました!

☝全文翻訳はこちら☝

 

 

#3. マスター"肖像権については言い訳しようがないけど、撮影して補正したものは私にも著作権があるじゃない"

マスターを論じる際、EXOは抜かすことのできないグループだ。現在のK-POPアイドル市場で最も人気のあるグループなので、並々ならぬ有名マスターたちが最も多く集まった。需要と共有が豊富なグッズ市場として、他のグループとは桁違いである。

EXOがデビューした時、腕のある別アイドルのマスターがEXOで再出発かけたりしててそりゃもう大騒ぎでした……。あと富豪も多かった。

そして、EXOより格下だったアイドルのランクが上がってくると、EXOから富豪のマスターが流れてくるというようなことも起きてました。人気もある程度あるし、でもEXOよりはないからオイシイ、ということで。そうなるとサイン会のボーダーなんかがグッと上がるんですよね……EXOからのマスターの人材流出は、色んな意味で各グループ界隈に阿鼻叫喚をもたらしていました。今はある程度落ち着いたのかな?と思いますが。

 

10日午後4時。合井駅の近くでEXOの某メンバーのファンサイトを運営しているマスターの1人・Aにようやく会うことができた。(中略)

Aの場合、週末・祝日、有給を利用して死に物狂いで現場に通っているそうだが、同じくEXOを追っかけているマスターの中には現場を全通している者もメンバーごとに10人ずつはいるとのことだった。

休学して現場に通っている子もいますし、元々お金持ちの家の子もいます。(中略)」

韓国の大学生って、卒業までに自身のスペックを上げる(TOEICや国家資格などを取るなどなど)ためにライトに休学するんですよね。で、記事に書いてあるように追っかけのために休学する人もいるけど、休学してるうちに追っかけになってる人も多い気がする(そして休学が長引く)。休学中にうっかりマスターになっちゃった知り合いは、復学時期が近づくにつれて「復学すんのヤダ~~~~~!!!!」って暴れてました。

 

(中略)どうやってそのスケジュールを全て割り出すのか疑問に思い聞いてみると、「既にメンバーの住民登録番号は共有財産になって久しかった。なので、以前は空港で住民登録番号を使いスケジュール照会を行うことが出来たが、今は全て対策されてしまった。結局は航空会社職員の知り合いを動員している」とのことだった。ファンの数が多いから、その中に一人ぐらいは航空会社で働く知り合いがおり、代わりに照会をしてくれる、ということだ。

住民番号や電話番号持ってる人、関係者の知り合いづてに情報出せる人はおそらくどのグループにもいます。でも、マスター全員が知ってるわけじゃないし、公共の秘密になるのか一部の人間だけが知っているのかは、各グループのファンコミュニティの民度によっても変わります。SMとかの大手所属グループは一瞬で公共財になるってよく聞いてました。こわやこわや。

てか、わたしの知り合いだった人にも、闇落ちしてサセンになった富豪(わたしが個人的にサセン行為大嫌いだったのとか他にもいろいろあって絶縁した)がいて、その人は最終的にメンバーの電話番号全員分持ってたし、海外スケのときは絶対同便してましたね……。しかも、良かれと思っているのか、メンバーのカカオのプロフィールのスクショを周りのファンにばらまいたりしててドン引きだった……。クソモンペの追っかけだらけでサセン行為に対してめちゃくちゃ厳しい沼だったので、最終的に孤立してましたけど。サセン、ダメ絶対……。

 

「一番正確なのは職員による照会ですが、飛行機なんかは予想することが多いです。(中略)」

わたしは基本的にこっちの予想型で、友達とカカオでやりとりしたりしながら空港張ったりしてました。予想云々については前にブログ書いてます~☟

まあこの予想(特にイベント関連)も、航空関連ほどの個人情報ではないにしても、知り合いの業界関係者のタレコミが秘密裏に共有されて……みたいな感じだったりすることもあるんですけどね。

 

普通、サイン会はCD購入時に応募券を渡されるのだが、ファンたちは当選確率を上げるために数十枚から数百枚のCDを購入する。それでもサイン会に行くことさえできれば、メンバーにも会えるし、写真も撮れるので割に合う、ということだ。

「100枚買って当たる保証があるなら買いますよ。それでもダメなことがあるから、わたしはほとんど応募しません。しかも、EXOの場合はサイン会をあんまりやらないんです。(中略)販売店舗によって違ったりもするけど、抽選とはいえ事実上ほぼ購入枚数で決まるんです。本当にランダムで決まるのは珍しいですね。最低ボーダーが10枚、15枚となれば無条件で買います。(中略)」

上記の通り、マスターだからといって毎回サイン会に行ってるわけじゃないです。もちろん行ってる人もいるけど、そうじゃない人もいる。わたしの見てた感じだと、ハマってすぐのころは顔を覚えてもらうために頻繁に通い、以降は頻度が落ち着くという流れが結構多かったような気がします。写真のデータは友達なんかに代理で撮ってもらえれば入手できるので、その辺はもう政治です。

同担で最大手のマスターやってた知り合いだって、仕事の兼ね合いで1活動で1回しか行けてなかったことありましたよ……写真はしっかりほぼ全サイン会分コンプでアップしてましたけど。笑

ちなみに、サイン会全通してるのはドルヲタ歴の長い富豪が多くて、そこにはマスターも含まれるけどマスターじゃない人も多いです。眉唾話だけどサイン会応募歴が長い人は店舗によっては枚数少なくても当たりやすいらしい……裏コネかもしれませんが。

 

 

Aに会う前日。9日午後7時、高尺スカイドームで開かれたEXOのコンサートに行った。(中略)

もちろんこの日のイベントは公式的に観客席での撮影を禁止していた。目を皿にして見ていたが、客席にカメラを持った人はいなかった。しかし、公演のスタートから終わりまで、ツイッターにはリアルタイムでメンバー達の写真プレビューが数十枚ずつアップされていた。(中略)

この話を聞いたAは、その日は制止が厳しくなかったと平然と言った。カメラは普通にカバンに入れて行ったり、底の方に隠したりもするとのことだった。客席に集まっているときはカメラを下のほうに下ろしておいて、警備員が別の区域に目をやった隙に素早く撮ってまた隠すというやり口だった。メモリーカードは初めから数枚準備しておく。一度摘発されデータを削除されたら、データ復旧のためにそのカードはそれ以上使わない。新しいメモリーカードに差し替えて、全ての撮影を終えるのだ。

「マスターってどうやってカメラ隠してるんですか」「どうやって隠し撮りしてるんですか」ってよく聞かれるんですけど、ほんとにこの程度ですよ……あと布巻くとか……?気休めみたいなもんです。テクニックとしては隠すことより洞察力のほうが重要な気がします。あと、個人的な所感ですが、初めから捕まるつもりで撮ってる人も多いと思います。最悪の場合のリスクの洗い出しとそれに対する対策はしてる人が多いです。現場で見たことある人もいると思いますが、普通にコンサート始まった瞬間に見つかって外に出される人とかもいます。

最近はチェックもより厳しくなってるっぽいんで、まぁ何かしらの対策はしているのかなとも思いますが、その辺の新たな警備体制については全く疎いのでわたしは何も言えないぜ……。

 

「転売防止だって何の意味もないですよ。買う人は席番が出た瞬間すぐに良席を探します。(中略)とにかくどうにかして買うんです。需要があるから、ファンじゃない人もとにかくチケッティングしている。」

とはいえマスターって、アイドル現場での戦歴長い人間が多いから、普通にチケッティングが上手い人も多い気がする……。あとチケッティング上手い取り巻きを囲っていたりもするし。そして何より、マスターがサブ垢とかで「チケットがありません……」って話をすると、フォロワーが譲ってくれたりするんですよね……。「●●さん絶対入って写真撮ってきてくださいね……!」って。マスターも、チケット譲ってくれた人には特別なグッズや写真をあげたりするし、なんだかんだそういう自分を中心としたコミュニティ作りの上手い人間が、円滑なマスター活動を行っていく、的なとこあるなと思います。

 

最も気になったのは、不法だと知りながらも写真を撮影して売る理由だった。Aは、所属会社側も現場では厳しく制止するが、写真がアップされてきた後は特に指摘がないと言った。

会社側も分かってると思いますよ?マスターの写真でファンを確保できるって

ファンたちがグッズを売るとはいえ、公式グッズだって、みんなが買うので売り切てしまう。(中略)

「『公式グッズはいらない、わたしたちが作ったものの方がいい!』ってわけじゃあないでしょう」

マスターたちが写真集を売る最も大きな名目はアイドルの誕生日サポートだ。フォトブック制作費を差し引いて、残ったお金はプレゼント費用となる。対外的な理由はこうだが、普通はプレゼント費用よりもさらに多くのお金が残る。残ったお金はカメラのアップグレードや、追っかけをしながら使う交通費・食事代、海外まで追いかける時に使う費用などに充てる。(中略)

個人的には、基本的にはマスターのグッズを買う行為=本人へのカンパだと思ったほうがいいと考えているので、「ここのマスター悪評立ってるけどまー推しの写真集だしとりあえず……」みたいなのは購入前に一度考えて直してみたらどうだい、と思う部分もある。……でも、なんやかんやいって本人の事嫌いでも作品が好きだったら買っちゃうとかってことあるよね~~~!!その心理もめちゃくちゃよくわかるんですよね……。まぁ、マスターのグッズは、自分が嫌な気分にならないように買ったり買わなかったりするのが一番なんじゃないでしょうか。いや~このあたりもなんか本当同人っぽい感じですよね。。

 

Aとしては、基本的に写真集は自らの商品だという考えだった。なので、物品制作のためにかかる費用や手間に対してはある程度の報償を得たい気持ちがあると打ち明けた。

「(中略)正直、肖像権に引っかかって(マスター活動・販売活動が)おじゃんになったらどうしようもないですけど、今までそんなことはなかったですからね。肖像権はアイドルのほうにあるけれど、撮影して補正したものは私の方に著作権があるわけじゃないですか

この言い分、圧が強すぎて笑ってしまう……!

ちょっと後述しますが、わたしはグッズの売買はしていなかったので、この辺の感覚ははっきりとはわかりません。個人的には、やっぱり勝手に売って儲けを出すのはちょっと抵抗があるなぁと思っていました。もし売れる現場にいたとしても、自分の私腹を肥やすほどの売上を売価に加味することはできなかっただろうなぁ。小心者だし。

 

「利益はたくさん出るんですか?(中略)億単位で稼ぐ場合もあるというのは本当ですか?」

「それくらいの利益を出している人も明らかにいることはいますし、みんな儲かるからやっているというのも、間違いないです。わたしのお金になるというよりは、ファン活動の費用に使うことが多いけど、私もグッズを売っている身なので、売った金を誰がどこに使おうと何か言える立場ではないです。でも、私、今Bのファンじゃないですか。一緒にBの追っかけをしている誰かが、別の新人Cを好きになって、Bの写真で稼いだお金をCを追っかけ費用に充てるのは、嫌ですね。

このAさんのいた沼のマスター達は、もうそりゃ相当稼いでる人もいただろうと思います。てか、SMは基本的にマスターのこと見て見ぬふりをしている節が強いからな。SMぐらいの大手になると、ぶっちゃけ普通に公式グッズもガンガン売れますし、マスターのことは重要な広告宣伝ツールとして上手く活用していると思います。あと、マスターの稼ぎがちゃんとある程度自社に還元されてくる自信もあるのだろう。

そして販売に対して厳しいのは実は大手以外の事務所や、あまり売れていないアイドルグループだったりします。マスターのグッズと自社のグッズが競合してしまうからです。

ちなみに、わたしのいた沼は写真を使ったグッズ販売が禁止で、バレるとFC永久追放という掟がありました(今は知らん)。なので、マスター達はグッズで稼ぎを出すことができず、全部自費で追っかけをしていました。一部の富豪以外はみんなボロボロになりながら追っかけをしていました(わたしもその一人)。そして、上記した「Bの写真でCに貢ぐ」よろしく、売れている大手グループでカネを稼ぎ本命の売れないグループに貢いでたマスターも、いた。燃えてた気がするけど。まあこういうのは遅かれ早かれどこかでバレて燃えるんですよね……。

 

と、ここまで書きましたが、元記事の記者さんのご厚意で当ブログに全文翻訳を掲載させていただけることになりましたので、以降は全文翻訳にてお読みいただければと思います~!よかったら見てみてくださいね。

☝全文翻訳はこちら☝

 


 

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